繰返組合應力を受ける材料の強さ
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概要
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一般に繰返組合應力を二つに分けて平均の應力状態を示す静不変の應力成分と應力零の上下に変化を反覆する振動性の應力成分とにする。これ等の各成分が強さの観点に於て材質上に及すべき影響を考へて、各成分の剪断作用に依りMohrの應力線図における強さの限界線の位置が変化するものと考へる。即ち直線と見たこの限界線に原点より下した垂線の長さは前記の剪断作用の影響を受け繰返数の大となるに連れてこの影響は或程度迄次第にその度を高めるものであると看做す。この基礎観念の上に一般の場合における強さの計算法を作り、これを組合應力作用を受ける眞直な棒の場合に應用した。棒の横断面に作用するσ及びτの両者が共に変ずる場合並にσ, τの何れか一つが静で他が変ずる場合に対して夫々限界状態におけるσ, τの関係を示す計算式を導いた。これ等の場合の計算結果を従耒行はれた実驗結果並にその後特に行つた実驗結果に比べて計算が大体都合よく実驗に合ふことを知つた。殊に棒の断面におけるτの作用の影響に関しては実驗の種類に依て趣を異にし、又同じ種類の実驗に於ても材料の性質に依てその影響異なる実驗上の事実が只今の理論の結果から見てよく理解される。
- 一般社団法人日本機械学会の論文
- 1940-12-25
著者
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