骨代謝性疾患(未熟児くる病)におけるMD法診断の検討
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概要
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未熟児くる病は,骨端の変化のみならず,発育の遅れ,骨塩量の低下を伴う全身性の疾患である。診断方法としては,臨床症状の他に,生化学検査や橈骨や手関節X線所見があげられる。しかし,手関節X線写真によるくる病重症度分類(以下,骨分類)では,主観的要素が大きいため,客観性に欠ける。ここで客観性を得るために著者は,骨代謝性疾患(未熟児くる病含む)が骨塩量の低下を起こすことから骨密度を測定(以下未熟児MD法)した。結果,骨密度測定において,骨幹部の骨塩量の評価には有用であるが,必ずしも骨端のくる病性変化の進行分類の数値化に完全にはつながらないことがわかった。しかし,骨分類という主観的な診断よりは,数値化により客観的な診断を下せることがわかり,未熟児MD法は,骨代謝性疾患において,生化学検査および骨分類と併用して診断する事が重要であると確認ができた。
- 日本保健科学学会の論文
- 2002-06-25