Na_2O 存在下における Al_2O_3,ZrO_2 及び SiO_2 を含む系の平衡関係
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概要
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ガラス溶解窯用の主な耐火物, 及びそれらの主成分であるAl2O3-SiO2, ZrO2-SiO2, Al2O3-ZrO2-SiO2系において, Na2Oレベル (化学ポテンシャル) を一定に保ったときの平衡状態について, 実験により検討した. 試料をNa2SO4などの侵食剤の蒸気相中に置き, 同条件下で充分平衡に近づいたと見なされる状態で, 試料中のNa2Oを分析し, 含有相の同定を行った. Na2Oレベルは, 侵食剤の種類や, 実験に使用するるつぼの設置状態を変えることにより, 種々のレベルに保つことができた.耐火物試料について, 種々のNa2Oレベル下での平衡状態を求め, 更に, Na2O-Al2O3-SiO2及びNa2O-ZrO2-SiO2系の1300°, 1500℃等温断面図上で, 各実験条件のNa2Oレベルに相当する組成位置を推定した. Al2O3-ZrO2-SiO2系についても, 種々のNa2Oレベルにおける1500℃等温断面図を明らかにした. その他, Na2O-ZrO2-SiO2系の等温断面図を急冷法により求めた.これらのデータは, Na2Oを含むガラスの溶解窯用耐火物の, 侵食状態を考え, 安定性を判断する上で, 有効であると考えられた.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1982-01-01