ガラスびん円筒部の楕円度が耐内圧力強度に及ぼす影響について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
我が国において, 従来より広く使用されているガラスびんを試料として, びんの円筒部における楕円度が内圧負荷時に発生する応力に及ぼす影響について, 弾性力学的な検討を行い, ストレインゲージによる実測値との比較検討を行った. また内圧負荷による耐内圧試験において楕円度が強度に及ぼす影響についても併せて検討を行った. その結果以下のような知見が得られた.(1) 所定の楕円度及び肉厚を有する試料びんについて, 内圧負荷時にびん円筒部の円周方向に発生するストレイン量を弾性力学的に算出し, ストレインゲージによる実測値との比較を行ったところ, かなりよい一致が認められた.(2) びん円筒部の任意位置における肉厚及び曲率半径が分れば, 内圧負荷時に発生するストレインを推定し得る計算方法を検討し, 偏肉を伴ったかなり複雑な形状のびん円筒部についても, 実測値と比較的よく一致することを確認した.(3) 試料びんについて内圧負荷による破壊実験を行った結果, 耐内圧強度は楕円度の増加とともに低下した. また楕円度が約1.5%以上に大きい場合では, 破壊時のき裂の出発点は円筒部の外表面の短径部 (曲率半径が最大の位置に対応) に集中することが分った.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1984-05-01
著者
関連論文
- リターナブルびんの送びん工程における加傷について
- ガラスびんの耐荷重強度について
- 動的並びに静的荷重をうけるガラスびんのひずみ応答と破壊
- ガラスびんの耐衝撃強度
- リターナブルびんの熱疲労破壊
- リターナブルびんの内圧力負荷下における耐熱衝撃強度特性
- ガラスびんの耐熱衝撃強度に関する破壊力学的な検討
- ガラスびん円筒部の楕円度が耐内圧力強度に及ぼす影響について
- 回収・再使用可能なガラス容器の耐内圧及び耐熱衝撃特性について
- ガラスびんの表面傷の深さと耐内圧強度の関係について