金属アルコキシドを原料とするゾル・ゲル法によるガラスの製造 : Si(OC_2H_5)_4の加水分解上で生成するシロキサンポリマーの形態
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概要
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SiO2 ガラスを作ることを目的としてシリコンテトラエトキシド Si(OC2H5)4 を加水分解する過程で生成するシロキサンポリマーの形態を調べた. 反応途上にある重合体をトリメチルシリル化によって安定なものとして単離し, その数平均分子量 Mn と極限粘度 [η] を測定した. Mn と [η] の関係, [η] = KMna から指数 a を定めシロキサンポリマーの形態を考察した. Si(OC2H5)4 に対し, 加える水のモル比 r が 1.0 及び 2.0 の溶液については aは 0.75 及び 0.64 で、溶液中の重合体が線状であると考えられた. r = 20.0 の溶液では a = 0.34 であり, この溶液では3次元的あるいは球状に成長した重合物が生成していると判断できた. r = 5.0 の溶液では反応初期には a = 0.55 で, 線状重合体が生じるが, その後 a は 0.23 となることからそれが成長して3次元的になることが分った. これらの結果は以前に報告した実験事実からの予測, すなわち少ない量の水で Si(OC2H5)4 を加水分解すると, えい糸性が見られることから線状重合物が生成していること, また多量の水で加水分解すると, えい糸性を示すことなく寒天状ゲルになることから3次元的又は球状重合物が生成していると考えたこととよく一致した.The type or shape of the polymers produced in the course of hydrolysis of silicontetraethoxide Si(OC2H5)4 has been investigated. Four solutions in the Si(OC2H5)4-H2O-C2H5OH-HCl system were prepared. In those solutions the molar rations of water to Si(OC2H5)4, r, were 1.0, 2.0, 5.0 and 20.0, respectively, while the ratio of HCl to the alkoxide was kept constant at 0.01. The polymerized products or siloxane polymers were trimethylsilylated and subjected to the measurements of number-average molecular weight Mn and intrinsic viscosity [η]. Based on the relation between Mn and [η], namely, [η] = KMna where K and a are constants, type of the siloxane polymer was discussed. The exponent a’s for solutions with r’s of 1.0 and 2.0 were 0.75 and 0.64, respectively, showing that linear polymers are produced in those solutions. The exponent a for the solution with r of 20.0 was 0.34, corresponding to the three-dimensional or spherical polymer. Intermediate value of a was obtained for the solution with r of 5.0. These results corresponded with the authors’ previous assumption that the occurrence of spinnability in a Si(OC2H5)4 solution containing a small amount of water is closely related to the formation of linear polymers in the course of hydrolysis.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1984-05-01
著者
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