水分量の少ない系におけるアルミナ水和物の生成
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概要
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水分量の少ない系におけるρ-, χ-Al2O3の水和生成物について調べた. 水和条件は, 水分/粉末量比ΔWが0.30-0.75, pH 10.5, 温度23° 50° 80℃である.水和生成物はジブサイト, ノルストランダイト, バイアライト及び擬ベーマイトである. 擬ベーマイト以外の生成物は常に2種以上が系に生じる. この場合, 未知の回折線 (d=5.23Å) が観察される. 従来知られているpHの値のみでなく, ΔWも水和結晶種を支配している因子である. ΔW≧0.33では擬ベーマイトのみが生成する. ΔW≧0.33では擬ベーマイトと他の水和物が共存する. ΔWが増加するにしたがって, バイアライト等の生成量は増加し, 一方, 擬ベーマイトの生成量は減少する. 水和生成物量は水和処理温度が高いほど多い.水和アルミナの生成は溶解析出機構による. バイアライト生成の誘導時間はΔWが増加するにしたがって短くなる. 擬ベーマイト生成の誘導時間はΔWに依存しない. 擬ベーマイト結晶核生成の活性化エネルギーは19.0kcal/molである. バイアライト生成も活性化過程によるとした場合, バイアライト結晶核生成は二つの過程からなり, 結晶核生成の活性化エネルギーはΔW=0.75, 23°-50℃の過程では大略13.1kcal/molとなり, ΔW=0.75, 50℃以上の過程では非常に小さい.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1980-09-01
著者
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