各種プラスチック材料のジュロメータかたさおよびバーコルかたさに及ぼす試験温度の影響

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プラスチック材料のかたさ値は温度によって変化する.かたさの標準試験法を確率するためには,標準状態(JISでは20℃)付近におけるかたさ値の変化に関する資料が必要である.本報告では20±10℃の温度範囲において,29種類のプラスチック材料のジュロメータかたさおよびバーコルかたさについて実験を行ったものである.その結果は概略次のようである.例外なく温度上昇とともにかたさ値はほぼ直線的に低下する.その低下量は同一のかたさスケール内ではかたさ値の高いものほど少ない.すなわち,かたさ低下率α(かたさ値の単位/℃)はくぼみ深さ(=圧子侵入量)とほぼ比例関係にある.したがって,20℃におけるかたさ値に対応すくぼみ深さに対するかたさ低下率αの割合を意味するくぼみ変化率β(単位はl/℃)は,かたさのスケールごとにほぼ定数とみなせる.このことは則定時の温度差から生ずるかたさ値の誤差の簡易補正法として利用できる.単位かたさの変化をひき起こすに要する温度差を表す温度影響率γ(℃/かたさ値の単位)は,二,三の例外を除き1以上である.したがって,試験条件としての試験温度に対する許容誤差は±1℃が適当と考えられる.ただし,それぞれのかたさスケールでかたさ値が50〜60以上のかたさ値の高い材料に対しては許容誤差を±2℃としてもよい.
社団法人日本材料学会の論文
1966-04-15

各種プラスチック材料のジュロメータかたさおよびバーコルかたさに及ぼす試験温度の影響

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