Huttig-Type吸着等温式とその模型に対する考察
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概要
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Huttig-typeの吸着等温式が(1)吸着分子は相互に独立である。(2)第1層はLangmuir typeの局所吸着であるとした仮定で(i)第2層以上は完全に可動性であるとした場合、(ii)多重層局所模型で2層以上の吸着分子の層間での交換を考慮した場合(z方向にのみ可動性を考慮)について分子運動論、統計力学的に求められた。結果はいずれも誘導の方法にかかわらず一致した。(A) θ=cx(l+x)+x/(l+cx), (B) θ=cxe^x(l+x)/(l+cxe^x).前者はHuttig式に近いが第2項を含む。これはHuttigの模型では1層,2層での局所、可動吸着の相違により1層が空席でも2層分子は吸着しうる可能性が含まれていないことによる。z方向の可動性を減少させた場合 (C)θ=cx[l-ln(l-x)+xnl(l-x)]/((l-x){l+cx[l-ln(l-x)]}), z方向の可動性を1層にまで及ぼす場合,(D)θ=cxe^x/(l+c(e^x-l)), (E)θ=cx/((l-x){l-c1n(l-x)}が得られる。(C),(E)はBET式よりθの立ち上がりがおそいBET II型等温線を与える。これらの式から計算した等温線はconfiguration no.の減少に伴いBET II型よりI型へと移行する。これらの結果から、BET模型は完全な局所吸着であるがHuttig模型は1層目は局所、2層以上はz方向も含めた完全な可動吸着であるとみなすことができた。実験的等温線とこれらの式との比較から求められた表面積は、いずれもほぼ20%の範囲内で一致する。これはいずれの式でも第1層に関する模型の類似していることによるのであろう。
- 社団法人日本材料学会の論文
- 1967-05-15
著者
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