イオン交換樹脂を含む懸濁水への難溶性無機化合物の溶解 (第10報) : α-及びβ-リン酸三カルシウム
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概要
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H-R represents a strongly acidic ion exchange resin with hydrogen form. Dissolution mechanism of two modifications of Ca_3 (PO_4)_ 2, α- and β-TCP, in the presence of H-R was studied to compare their reactivities. Chemical analysis of liquid phase, simultaneous measurement of calorimetry and conductimetry, XRD and SEM observation were carried out to discuss the dissolution process. Hydroxyapatite (HAp) and brushite (DCPD) were also used for reference. The results obtained are summarized as follows; (1) The heat of dissolution (exothermal in kJ/mol) at 25℃ measured by introducing a sample into aqueous suspension containing an excess amount of H-R was estimated as follows; β-TCP: 122.8, α-TCP: 137.1, HAp: 310.8, DCPD: 2.4. Consequently, the heat of transition from α- to β-TCP was calculated to be 14.3 kJ/mol. (2) The dissolution of β-TCP proceeds by the following two-stage reactions; Ca_3 (PO_4) _2 + 4 (H-R) → 2 (Ca-R_2) + Ca(H_2PO_4)_2 (aq)・・・・・・ (1) , Ca(H_2PO_4)_ 2 (aq) + 2 (H-R) → Ca-R_2 +2H_3PO_4(aq) ・・・・・・ (2) . (3) In contrast with the β-phase, the dissolution of metastable α-phase proceeds by the three-stage reactions of Eqs. (1) , (3) and (4) . An initial addition of H-R gives Ca (H_2PO_4)_2 solution (Eq. (1) ) , which was soon followed by crystallization of intermediate DCPD according to the E q. (3) . Two distinct thermal flows due to the dissolution (Eq. (1) ) and crystallization (Eq. (3) ) processes are accompanied by the corresponding variations of specific conductivity. Ca_3 (PO_4)_2 + Ca (H_2PO_4)_2 (aq) + 8H_2O → 4[CaHPO_4・2H_2O] ・・・・・・ (3) . Finally, the dissolution of DCPD is completed to give phosphoric acid and Ca-absorbed resin (Eq. (4) ) . CaHPO_4 ・ 2H_2O + 2 (H-R) → Ca-R_2 + H_3PO_4 + 2H_2O ・・・・・・ (4) .
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1996-08-01
著者
-
門間 英毅
環境エネルギー化学科教授
-
門間 英毅
工学院大学工学部
-
桜井 正
武蔵工業大学工学部
-
永井 正幸
武蔵工業大学
-
西野 忠
武蔵工業大学無機化学研究室
-
門間 英毅
工学院大学 工学部
-
門間 英毅
工学院大(工)
-
永井 正幸
武蔵工業大学工学部
-
西野 忠
武蔵工業大学工学部エネルギー基礎工学科
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