日本の雇用構造と学校教育 : システム・ダイナミックス手法によるシミュレーション分析
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概要
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本研究は,教育計画を策定する際に有用だと思われる2つのモデルをシステム・ダイナミックス手法によって検討することを目的とする。それらは雇用構造重視型社会モデルと教育機会重視型社会モデルであり,前者は雇用構造の変動が学歴構造にインパクトを与えると仮定し,後者は学歴構造の変動が雇用構造を変えていくと仮定する。システム・ダイナミックス手法によるシミュレーション分析の結果,日本の社会では雇用構造と学歴構造が相対的に独立して発展してきたことが明らかにされた。The interest in the relation between education and labor market has been grown in the hands of labor economists since the late-1950s. Of all theories, the human capital approach attracted economists or sociologists of education, as well as policy-makers, in the early 1960s. And this theory served as both a guideline and justification for rising educational expenditures in the decade. But by 1980, proponents of human capital theory were on the defence. The supply of educated manpower came to overflow in the labor market in accordance with economic stagflation in many of the Western countries. How can the economic system manage to absorb indefinitely the growing quotas of increasing more educated manpower when it plainly has no need for them? In this article, we made two types of simulation models for the anaysis of occupational structure and trained manpower in Japan. They were named Model I and Model II respectively. Model I assumed that the supply of occupational positions (dependent variable) determines the amount of educated personnel (independent variable) as needed, while Model II presumed that the supply of educated manpower (dependent variable) makes as many occupational positions (independent variable) as demanded. A computer simulation using the method of System Dynamica showed that both of the models could account for the conjunction of the educational system and employment opportunities in the 1955-1980. Thus, the occupational structure in Japan seemed to have developed fairly independent of the diffusion of school education.
- 大阪教育大学の論文
- 1983-02-28
著者
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