ヘルペスウイルス2型経腔胎盤感染による子宮内胎仔発育障害について
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概要
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従来, 妊婦ヘルペスウイルス感染症は胎児死亡, 新生児死亡, 先天性ヘルペス症候群の発生などに関して注目されてきたが, これに新しい視点を加うるべく著者はラつトHSV-2感染モデルを用いて, 高頻度に子宮内胎仔発育遅延(IUGR)を誘導し, その発生機序を考察した.すなわち著者はHSV-2(UW-268)を妊娠ラつト隆内に, 妊娠8日, 11日, 15日に接種し, 妊娠20日に開腹し, 対照群と各接種群との胎仔発育を比較した.妊娠8日接種群, 妊娠11日接種群では, 有意に低体重であり, IUGRの発生頻度は前者で49%, 後者で55%に達した.また, 胎仔の吸収率は前者で11.7%, 後者で2.9%と高かつた.しかし, 妊娠15日接種群では, 体重の低下を認めず, 吸収率も増加しなかつた.腔内に接種したHSV-2の動向では, 上行栓に感染が進展し, 胎盤においてウィルスが増殖し, 感染が持続することを証明した.以上のヘルペスウイルスによる子宮内胎仔発育障害の発生機序に関して, 著者は感染胎盤における物質輸送能の機能低下が本態的に重要肢意銭を持つものと考え, ^<14>C-leucine, ^<14>C-alanine, ^3H-glucoseなどを用いて, これらを検索し, それぞれの低下を証明した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-05-01
著者
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