前置胎盤症例に発症したRDSの周産期因子に関する検討
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概要
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妊娠37週未満の前置胎盤(preterm placenta previa)62例について、児の呼吸窮迫症候群(RDS)発症に関与する周産期因子をretrospectiveに検討した。前置胎盤は、超音波断層法と、娩出時の胎盤付着部位とにより、診断した。待機療法(56例:90%)としては、安静や分娩前輸血(7例:11.3%)に加え、出血や子宮収縮出現時のisoxsuprine-HCl(以下1sxと略)による早産治療(37例:59.7%)と、Ligginsの原法にのっとり、corticosteroid投与(8例:12.9%)を行なった。RDSは、新生児の臨床症状及び胸部X線所見により診断した。62例の入院時期は、妊娠28週未満で12例、28〜33週で37例、34〜36週で13例であり、一方娩出時期は、28週未満はなく、28〜33週で37例、34〜36週で20例、37週以降が23例でありた。Isx投与開始時の10分以内の規則的子宮収縮と、延長日数7日未満との間には、相関がみられた(p<0.05)。RDSは10例発症し、いずれも妊娠34週未満における娩出で、全て新生児仮死を伴っていた。Isx投与の6例は、いずれも投与開始後7日未満で娩出を余儀なくされ、steroid未投与例であった。加えて、娩出時の500ml以上の母体出血及び胎児仮死が各々4例に認められた。RDS発症の周産期因子として、新生児仮死、500ml以上の母体出血、steroid未投与が特徴づけられた。
- 1986-06-01
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