STEROID CONCENTRATIONS IN HUMAN CERVICAL TISSUE IN RELATION TO CERVICAL RIPENING

概要

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頚管成熟と頚管組織中Steroid(S)濃度との関係を検討する為に以下の研究を行なつた. I.対象及び方法:1)妊産婦34例につき,妊娠末期或は分娩時に頚管組織を採取した.症例をBishop Scoreにより,8点以上の成熟群(21例)と4点以下の未成熟群(13例)とに分け,更に両群を自然陣痛の有無及び誘発の3群に,計6群に分けた.2)帝切予定6例にDHA-Sを3日間合計600mg静注後帝切時に頚管組織を採取した.3)上記頚管組織中の遊離型(f)と抱合型(C)のestrone(E_1),estradiol(E_2),estriol(E_3)及びDHA濃度をRIA法により測定した. II.成績:1)成熟群ではf-E_1,17.9ng/g・wet・tissue,C-E_1,26.8,f-E_2,15.7,C-E_2,22.1,C-E_3,40.7,f-DHA,40.8及びC-DHA,176.4が未成熟群に比べて陣痛の有無に拘らず平均3倍有意の高値であつた.2)陣痛発来に伴つて上記S濃度はさらに増加した.3)陣痛(-)群の中で成熟例でのf-E_1,C-E_2,C-E_3,C-DHAが有意の高値であつた.4)DHA-S負荷群では非負荷群に比べてC-E_3以外のすベてのSが増加した. 以上の成績より,頚管成熟には胎児副腎の主な生成ステロイドであるDHA-S及びその代謝物の頚管における増量が関与している事が,示唆される.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1985-09-01