多ペン放電式記録器を用いた胎児心機図装置による胎児心臓弁膜ドプラ信号間隔時間関する研究
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概要
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多ペン放電式記録器を用いて分娩時胎児心臓弁膜ドプラ信号を連続的にオンラインで記録することにより, 正常52例, 異常5例の胎児心機図を検討した. Mc, Ao, Ac, Moの各弁膜信号は胎児心拍数図・陣痛曲線と同時記録Lた.1.正常群において, Tを記録開始点として, 胎児心拍数基線区間の各分撃信号間隔時間を検討すると, T-Ao, T-Ac, Mc-Ac及びAo-Acは心拍数の減少に伴なつて延長したが, T-Mc, Mc-Ao, Ac-Moは一定の変動を示さなかつた.T-Aoは個体差が大きく, 妊娠週数と特別な関係はみられなかつた.Ac-Moはほぼ一定の値を示した、早発一過性徐脈時にT-Aoは, 2例では一過性に延長したが, 1例では変化しなかつた.Ao-Acは心拍数減少時に延長したが, 同一心拍数での変動は小さかつた.13例の軽度変動一過性徐脈では, 心拍数減少時にT-Ao, T-Mc及びMc-Aoが一過性延長を示し, 1例ではT-Aoは変化しなかつた.胎児心拍数一過性変動時のAo-Acは一定した変動がなく, 延長するものと短縮するものがあり, 同一心拍数におけるAo-Acの変動が大きかつた.一過性頻脈時にT-Aoは, 2例で一過性に延長したが, 1例では変化しなかつた.Ac-Moは胎児心拍数一過性変動時にも, ほぼ一定であつた.2.高度変動一過性徐脈や遅発一過性徐脈などを示してApgarスコア低値であつた異常群5例中4例でT-Aoの持続的短縮がみられた.うち1例ではT-Ao短縮ののち延長をみた.5例中2例でAo-Acが心拍数によつては異常域にあつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-08-01
著者
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