胎児心拍間隔時間細変動デジタル処理の諸方法の比較検討
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概要
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直接誘導胎児心電信号R波ピーク検出によるトリガ信号とミニコンを用いて心拍間隔時間を統計学的に処理し, 心拍数細変動解析を打つだ.鳥取大学病院産科で分娩した78例について, 連続した250個のR-R間隔時間のデータ列を合計260カ所についてそれぞれ収録した.データ検出部の心拍数図を記録し, それぞれHammacher基準により4つのoscillation typesに分類し比較検討した.またYehのinterva1index(ID), differential index(DI)及びde Haanのlong term irregularity index(LTI), short term irregularity index(STI)と, 著者のbeat interval(BI), interval difference(ID)との比較検討を行つた.IDをHammacherの4型間で比較すると, type-0は平均0.64±0.54ms, type-1は1.5±1.2ms, type-2は3.1±4.9ms, type-3は9.0±23.7msで4型間の平均値に有意差を認めた.IDのヒストグラム上で1.0ms以下を占める部分の百分率を上記4型間で比較した.type-0は平均57.8±19.5%, type-1は31.1±5.3%, type-2は24.6±5.0%, type-3で11.8±5.2%であり4型間の平均値にはそれぞれ有意差を認めた.心拍数細変動正常例(type-2)と異常例(type-0)についてdeHaanのSTI, YehのDI, 著者のIDを用いてそれぞれ同一症例で比較検討した.STI平均値は正常例及び異常例問に差がみられなかつたが, 異常例では標準偏差が正常例よりも非常に小であつた.DIは正常例では3.9〜5.7であつたが, 異常例は1.1以下の低値を示した.著者のIDの平均値と標準偏差は異常例では正常例よりも明らかに低値であり, 心拍数細変動の診断に有用と考えられた.
- 社団法人 日本産科婦人科学会の論文
- 1981-02-01
著者
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