多変量解析による分娩開始時期ならびに分娩難易度の推定
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概要
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分娩前の頚管成熟度(頚管硬度,展退度,開大度,子宮口位置)と頭高の経週的変化を多変量解析により分析し,分娩開始時期および難易度をretrospectiveに推定した.1)初産婦210例の内診所見による長期的推移をみると,成熟型は分娩時期が近づくにつれて増加し,未熟型は減少してゆくが,その中間の亜成熟型は頻度が比較的大きく,かつ変動が少ないので単純加算式scoringによる分娩開始の予測は困難なことが多い.2)初産385例,経産434例について分娩前6週間の推移を検討し,重回帰分析により分娩開始時期を推定した.初産では6週前で78.2%,4週前82.2%,2週前92.6%で,経産ではそれぞれ84.6%,82.2%,96.2%で予測値は比較的高かった.3)マハラノビスの汎距離法による判別関数を用いて初,経産別の分娩難易度を推定した.初産では4週の式で異常と予測した場合の適中率77.1%,2週の式で77.2%,経産ではそれぞれ69.0%,69.2%であった.正常と予測した場合の適中率は初産でそれぞれ53.5%,56.9%,経産では4週の式で30.9%で,異常と予測した場合の判別力がやや優れている.以上のごとく従来の単純加算式scoringによるよりも,本法によれば早期から分娩開始時期,難易度の予測が得られることが判明した.
- 1980-05-01
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