ヒト初代絨毛培養細胞におけるヒトサイトメガロウイルス持続感染細胞の樹立とその意義
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概要
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ヒト初代絨毛培養細胞にヒトサイトメガロウイルス(CMV)を感染させ次の結果を得た. 1)サイトメガロウイルス感染ヒト初代絨毛培養細胞(Ch/CMV)は,細胞とウイルスが共存の形で増殖する細胞集団レベルの持続感染様式をとった.2)Ch/CMVは,培養液上清中に1.6×10^2から1.2×10^4PFU/mlのCMVを産生し, その感染細胞からはCMV関連抗原が蛍光抗体染色で検出された. 3)Ch/CMVは,エストロンとエストラジオールを培養液中に分泌し,エストロゲン生合成の低下する時期に一致し,全細胞が感染化して細胞変性を起した.4)Ch/CMVの培養液中にエストロゲンを加えても,細胞変性(cytopathic effect: CPE)の出現率は対照と変わらなかったが,培養液中のウイルス感染力価には有意の低下が見られた.5)CMVの持続感染細胞成立と維持の一要因として,エストロゲン生合成過程の関与が示唆され,CMV垂直感染機構に対する胎盤の関与が推定された.
- 1980-12-01
論文 | ランダム
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