子宮内圧測定よりみた,自然発来陣痛,Prostaglandin, Oxytocin並びに両者併用法における子宮収縮能の比較検討
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概要
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薬剤投与による計画的分娩の基本的方向性を明らかにするため,可及的一定条件下にある経産婦130名を対象として自然発来陣痛,Prostaglandin, Oxytocinおよび両者併用法の子宮収縮能をMicro-disc法による内圧計測にて比較検討したところ大要以下のごとき一定の結果を得た. 1) ProstaglandinはOxytocinに比しhypertonusを呈し易く,このことはfeto-maternal circulation上,十分留意しなくてはならない. 2) Prostaglandinは自然発来陣痛に近いDuration, Frequencyを分娩のはじめは有し,Intensity,子宮活動度では明らかに異なり非定型的波形も多いが,開大が進むにつれ子宮収縮能はOxytocinと一致してくる. したがってProstaglandinは分娩前半では少なくとも作用機序がOxytocinと異なることが示唆され,後半では両者間に何らかの協調的関係が存在してくる事が推測された. 3) ProstaglandinとOxytocinの両者併用法は,Duration上Oxytocinに近いが,Intensity, Frequency,子宮活動度で各単独法に勝り,結果として子宮口開大効果は最も勝れていた. 4) 誘発率では,両者併用法が各単独法より良い結果を得たが,Prostaglandin法がややOxytocin法より良い傾向であつた. 5) 分娩時出血量,母児副作用では各法間に臨床上の差異は認めなかつた. 以上の結果より,薬剤投与による計画的分娩ではProstaglandinとOxytocinの両者併用法が一番すぐれた効果を示すが,Prostaglandin法とOxytocin法の比較ではProstaglandin法は分娩誘発においてOxytocin法よりやや優れた傾向を認め陣痛を増強維持させる作用においてOxytocin法がProstaglandin法より勝る傾向であつた.しかして,いずれの方法でも自然発来陣痛より子宮収縮能の増強されることが明らかにされた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1975-10-01
著者
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