実験的脱血性ショック家兎の代謝異常に対する治療効果に関する研究
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概要
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乏血量性ショック時の治療に関しては各方面からの究明が試みられているが, 近年代謝動態からの細胞レベルでの治療が注目されてきている. しかし妊娠個体に関する報告はきわめて少ない. したがって著者は酸化還元電位を細胞内代謝動態の指標として, 出血性ショックモデル (非妊成熟, 妊娠家兎) を用い, ショック治療に有用と期待されうる輸液, 薬物の若干を選び, その治療効果を検討した結果, 次の成績を得た. 1) 非妊家兎における酸化還元電位は血漿増量剤 (hydroxyethyl starch) 輸注により有意に上昇し, 全量還血, 副腎皮質ホルモン (hydrocortisone) 添加群ではわずかな変動にとどまった. しかし醋酸加リンゲル輸注, 交感神経作働薬 (isoproterenol) 添加群では低下を阻止することができなかった. 2) 妊娠家兎における酸化還元電位は血漿増量剤輸注, 全量還血, 副腎皮質ホルモン添加群でわずかな上昇あるいは低下阻止の傾向を示した. しかし醋酸加リンゲル輸注, 交感神経作働薬添加群では低下を阻止することはできなかった. 3) 非妊, 妊娠両群間において, 血漿増量剤輸注群を除いたすべての治療群に対する反応性は同じような傾向を示した. 4) 酸塩基平衡では非妊家兎血漿増量剤輸注群のみpHの上昇が認められた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1974-07-01
著者
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