妊娠時の血中 Cortisol および Progesterone の動態殊に日内変動および Episodic Secretion について
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概要
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妊娠時の母体の副腎皮質機能および胎盤機能の指標としての血中 cortisol および progesterone を測定し, 妊娠経過にともなう両ホルモンの安静時値の推移, また従来研究の乏しい口内変動の有無に関する検討のほか, 現在全く知見のない両ホルモンの episodic secretion の問題について検討を行つた. この目的のために血清 cortisol の測定法として, Murphy (1963) による competitive protein binding assay (CPBA) に水, 四塩化炭素分配による純化操作を加えた新しい cortisol の特異的な測定法を開発し応用した. 血中 progesterone の測定には妊娠モルモット血清を用いる CPBA を用いた. 1) 正常妊婦の末梢血中 cortisol は妊娠経過とともに漸増し, 妊娠10カ月平均26.4μg/100ml で非妊婦の約2.5倍であつた. progesterone は妊娠初期には漸増し妊娠5カ月から急増し, 妊娠10カ月では平均15.5μg/mlであつた. 2) 午前9時から午後9時まで4時間毎に測定した妊婦血中 cortisol の時間的変動では, 午前9時に高値を示し, 午後9時に最低値を示し日内変動の存在が認められたが, 血中 progesterone には日内変動を思わせる一定の傾向はみとめなかつた. 3) episodic secretion の存在の有無を検討するめに, 昼間20分毎に測定した妊婦血中 cortisol には律動的な変動がみとめられ, 母体の副腎からの corsisol の episodic secretion の存在が推定された. 同時に測定した, progesterone 値は1例においては軽度ながら cortisol とほぼ同様の変動をみとめたが, 他の1例では著明な変動をみとめなかつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-07-01
著者
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