人胎盤蛋白ホルモンHuman Placental Lactogen (HPL)の人胎盤Estrogen生成に及ぼす影響
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概要
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人胎盤蛋白ホルモンHuman Placental Lactogen (HPL)の胎盤におけるsteroid生成に及ぼす影響を観察するために, 人胎盤組織片に放射性Dehydroepiandrosterone (DHEA), Δ^4-Androstenedione (AN)を加えてincubationを行い, HPL添加によるestrogen産生の変化を検索した. DHEAからANへの転換は, 極めて急速且つ容易に行われ, HPL添加による影響は全く認められなかつた. しかし, HPLはANからestrone及びestradiol-17βへの転換, 即ちaromatization過程に著しく促進的に作用することがわかつた. HCGにも同様の促進作用を認めたが, HPLに比しその作用は極めて低い. また, HPLは17β-hydroxysteroid dehydrogenase酵素系に対して抑制的に作用し, これに反してHCGは促進的に働くことがわかつた. 従つて胎盤は, 自己の生成する蛋白ホルモンによつて, 自ら生成するestrogenの生合成過程を調節する特異な内分泌機能を有するものと思われる.
- 1971-04-01