放射性同位元素を用いる Prolactin の新らしい定量法に関する研究
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概要
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Prolactin (以下PLと略す)の定量法については, 今日まで多数の報告がなされているがいまだ完全に確立された方法はない. 現在最も多く用いられているハト crop-sac法においても種々の困難を伴っている. 今回, PL本来の生理作用である乳腺刺激効果を目標とし, しかも客観的に定量できるように放射性アイソトープ(以下RIと略す)を使用して, 実験動物 (マウス及びラット)の乳腺におけるRIの摂取率を測定してPLを定量的に測定する新らしいPLの定量法について検討を行なった. あらかじめ Estrogen 及び progestogen によって乳腺を発育させた実験動物の乳腺組織内にPLを直接注射し, さらにRIを全身的に投与した後にその動物を屠殺して乳腺組織を摘出する. その乳腺組織におけるRIの摂取率を測定すると投与したPL量との間に, 後者の対数をとると特定の範囲で直線的用量反応曲線かえられた. 実験動物としてラットを使用し, RIとして^<65>Znを使用した時に, NIH-P-S_7 (24.3 I.U./mg)に対してPL 0.2I.U. から5.0I.U. にかけて用量反応曲線は直線となり (Y=97.97×log X+57.36), 精度指数λは0.091となった. 組織学的にもPL 1.0I.U. のラット乳腺組織内局所注射によって, 対照と較べて明らかな差がみられた. 本法のPLに対する特異性の検定では, PLの他に Growth Hormone にも反応がみられたが, 他の下垂体前葉ホルモンには反応はみられなかった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1970-04-01
著者
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