絨毛性腫瘍のエストロゲン分泌能に関する研究
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概要
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繊毛性腫瘍に estrogen の産生分泌能があるか否かを知る為に, 胞状奇胎, 破壊奇胎, 繊毛上皮腫の尿中 estrogen 排泄量を示標として検討を試みた.1)胞状奇胎の尿中 estrogen 排泄量は, 4例中2例は正常月経周期にある婦人の排泄範囲であり, 他の2例は正常妊婦と同時期の排泄範囲にあつた.内容除去後は速やかに減少したが, この際, その排泄量はHCGの変動とは関係なく, ほゞ正常成熟婦人の排泄範囲で変動した.2)破壊奇胎の尿中 estrogen 排泄量は正常月経周期婦人の排泄量とほゞ同程度であり, 術後もHCGの変動に関係なく正常範囲内を変動した.3)絨毛上皮腫の場合, 手術前 estrogen の尿中排泄量は, 正常月経周期婦人よりやゝ高い値を示し, 病巣剔出または化学療法により減少の傾向が認められた.この減少はHCGの減歩と平行関係があるように思われた.治療前の排泄量は卵巣の有無には関係なく, 卵巣易咄除例を対照去勢婦人のものと比較すると明らかに高い排泄量を示した.4)去勢婦人における ACTH, HCG 投与実験で, 尿中 estrogen 排泄量はACTH負荷により増加したが, HCG負荷では投与前よりかえつて減少の傾向がみられた.これらの成績を綜合すると, 絨毛性腫瘍組織は estrogen を産生分泌する能力があるのではたいかと考えられる.
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