糖尿病合併妊娠時におけるSomatomedin C の動態に関する検討

概要

論文の詳細を見る
Somatomedinは成長因子とも称せられ、細胞増殖および個体の成長と密接に関係している。糖代謝異常妊娠時には母体の代謝障害、胎児発育異常がみられることから、糖尿病合併妊婦および実験的糖尿病ラットにおけるSomatomedin Cの母児(仔)間の動態を検討した。Somatomedin CはODS silica columnで抽出した後、2抗体法によるRIAで測定した。ヒト血清somatomedin Cは、非妊正常者で20.45±5.14nM/l(平均±標準偏差)であつた。非妊糖尿病者では16.96±4.37nM/lと有意に低値であった。正常妊婦、糖尿病妊婦における値は非妊正常者の値にほぼ等しかった。母体血清somatomedin Cは、その出生児体重との間にr=0.41、p<0.05(n=41)と正の相関関係を認めた。出生児の血清somatomedin Cは、正常児で6.45±1.97nM/lと母体に比べて著しく低値であつた。糖尿病母体よりの出生児では9.17±3.28nM/lと正常児よりも高値であった。ラット血清somatomedin Cは、非妊群で15.86±2.37nM/lであり、妊娠時には上昇傾向を示した。母獣血清somatomedin Cは胎仔体重との間にr=0.491の正の相関関係を認めた。肝somatomedin Cは糖尿病および妊娠により低下していた。胎仔肝somatomedin Cは、母獣の約10%と低く、糖尿病胎仔では高値であつた。以上の成績から母体(獣)のsomatomedin C値は、胎児(仔)発育を反映する可能性が示唆された。またその一方では、糖尿病合併時の胎児(仔)発育にはsomatomedin C以外の因子も、複雑に関与していると推察された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-02-01

糖尿病合併妊娠時におけるSomatomedin C の動態に関する検討

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

糖尿病合併妊娠時におけ るSomatomedin C の動態に関する検討

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

糖尿病合併妊娠時におけるSomatomedin C の動態に関する検討