Disc泳動法による子宮頚管粘液中のalkaline phosphataseに関する研究
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概要
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ガラス線維小円盤に子宮頚管粘液を定量的に吸着させ,その抽出液を直接polyacrylamide gel disc泳動にかける方法を用いてalkaline phosphatase(以下ALPと略)について検討し,以下の結果を得た.1)ALPのisozymeの分類は一般にはpolyacrylamide gradient gelを用いて行われているが,等速電気泳動法の原理を利用してpH6.7とpH8.3との不連続緩衝液系を用い,試料蛋白質に対する濃縮効果を保持させた11.25%polyacrylamide gelを用いて電気泳動を行えば,ALPは荷電および分子量の差によって泳動分離されるのでそのisozymeの分離同定が簡単にできた.2)上記の泳動法を用い妊娠10週から38週までの合併症のない妊婦の血清20μlを泳動すれば全ての通例に肝性ALPを検出するが,同時に21週以降のものに明瞭な胎盤性ALPの活性バンドを検出した.その胎盤性ALP活性は妊娠週数と共に徐々に増大することがわかった.3)非妊婦頚管粘液中には胎盤性ALPの存在を証明することができなかった.妊娠6週から40週までの頚管粘液では全てから胎盤性ALPの活性バンドが検出できた.その活性は妊娠の進行に併って増大した.この結果から妊娠6週において胎盤性ALPの合成がすでに開始されていると推論できる。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1985-01-01
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