自律神経遮断薬・βアドレナリン作働薬並びにコリン作働薬のFHR variabilityに及ぼす影響 : 日本シバヤギ胎仔Chronic preparation法を用いて
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概要
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chronic preparationを施した日本シバヤギ胎仔に,atropine 200μg/body(n=7),propranolol 200μg/body(n=9),atropine 200μg/body+propranolol 200μg/body(n=4),isoproterenol 0.1μg/body(n=4),acetylcholine 10μg(n=4)を投与し,fetal heart rate variabilityの変化を調べ,その調節機序に検討を加えた.variabilityは,0.1msecの精度を持つpeak detectorを用いて,胎仔直接誘導心電信号のR-R intervalを検出し,STV=[numerical formula],LTV=[numerical formula](Ti=R-R interval)と定義し,マイクロコンピューターを利用して算出した.atropine,propranolol及びそれらの同時投与により,STVはそれぞれ45.2%,43.2%,57.3%,LTVは72.3%,52.2%,73.3%減少した.isoproterenolの投与により,STVは39.5%,LTVは34.5%増加し,acetylcholineの投与により,STVは27.6%,LTVは22.7%減少した.以上のことから,variabiliyは交感神経系と副交感神経系の協関作用により生じる心拍数の変動であり,それには心臓自体の活動性も反映されていること及びSTVは心臓の活動性を,LTVは自律神経系の興奮をより強く反映している可能性のあることが示唆された.