子宮体癌Ishikawa株由来のEstrogen非依存性株の分離とその特性に関する研究
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概要
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ヒト高分化型内膜腺癌Ishikawa株から長期間のestrogen (E)欠乏状態で培養することでE非依存性株の分離を試み, その形質の検討を行った. その結果;1. 長期間のE欠乏状態でE非依存性の株E非依存性Ishikawa株:Estrogen Independent Ishikawa Line (EIIL)を分離した. 2. この株はE負荷によっても核内estrogen receptor(ER)の集積ならびにprogesterone receptor (PR)の誘導は起こらなかった. 3. Western blotによる解析ではIshikawa株には65Kdの単一bandを検出したがEIILでは65Kdと43Kdの二つのbandを認めた. 4. Reverse transcription polymerase chain reaction (RT-PCR)によるERmRNA発現の解析ではEIILにおいてはIshikawa株の60%程度の発現に低下していた. 5. Gel shift assayによるEstrogen Responsive Element(ERE)結合蛋白の発現の検討ではIshikawa株, EIILの両者に130Kd相当のERE結合蛋白を検出したが, EIILではこの蛋白はホルモン結合領域認識抗体H222と反応しなかった. 以上の結果よりIshikawa株を長期間E欠乏状態におくとE抵抗性が発現し, ERの質的, 量的変化が起こることを初めて報告した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1996-02-01
著者
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