^<99m>Tc による Meckel 憩室の術前診断

概要

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乳幼児の下血の診断は腸重積症を除けば, 困難か, しばしば不可能である.血液学的, レントゲン学的又は直腸鏡的検査によって, 除外的診断をすすめるのが一般の方法であるが, 遂に確定診断ができずに試験開腹を余儀なくされる例も決して少くない.その中に, 外科的疾患として重要なMeckel憩室が含まれる.従ってMeckel憩室は例え合併症を併発していても術前に確診する事は不可能であった.しかし最近, ^<99m>Tc-pertechnetateを用いて, 異所性胃粘膜を有するMeckel憩室を描出することによって, 術前に可成りの確実性をもって予知できるという報告が散見され, 我国においても米山らが1例報告を行っている.これは^<99m>Tcが分泌腺によく取り込まれ, 特に胃粘膜の壁細胞から胃液と共に, 最もよく分泌される特性を応用して, 胃粘膜を有する消化管の憩室を予知しようとするものである.我々は, 昭和48年10月から昭和49年1月までに続けて4例のMeckel憩室を術前に診断し, 手術によっていずれも異所性胃粘膜を有するMeckel憩室の存在を確認したので, その経験を述べ多少の考察を加える.
日本小児外科学会の論文