子宮頚癌に対するCo^<60>回転照射療法の基礎的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
最近子宮癌に対する放射線療法もテレコバルト照射装置等の出現により様相を変えて来た. そこで私は島津製RT2000型Co^<60>大量遠隔照射装置について塩化ビニール製人体骨盤部模型水ファントームを用いて各種照射条件に於ける線量分布の測定を行った. その結果照射野10×10cm, S.C.D75Ccm360°回転照射すると中心線量の90%以上が小骨盤腔内均等に照射されておることから此の照射術式を基準照射法と考えている. 又直腸膀胱被曝線量を出来るだけ少なくする目的で各種の照射術式を組合せて骨盤内線量分布を検討したところ, 上述の360°回転照射4回に対し, 側面より照射野6×10cmで90°振子照射を左右各々1回宛照射することにより横楕円形の線量分布図を得, 膀胱直腸部への被曝線量を少なくすることが出来た. 又照射野6×10cmで左右より90°振子照射を同回数行えば線量分布は更に横楕円形となり膀胱直腸への被曝線量を一層少なくし得ることを証明した. 又一側に偏在する骨盤壁乃至はその附近のリンパ節に病巣のある際は主としてその部分のみの照射が要求されるが, この様なときには照射中心を線源側へ3〜4cm移動させて220°振子角の如き偏心振子照射を行えば振子照射の特色を充分発揮して特定の深部病巣に集中的に多量の線量を与え得ることを実証した. ついで透過線量の測定により実測出来ない深部の線量を算定するJohnsの方法を子宮頚癌治療に応用追試したが皿転照射の際は回転中心が同一平面上をどの様に変化しても透過線量を測定することにより比較的簡単にしかも正確に深部線量を算出し得ることを知った.
- 1964-04-01