ステレオタックスによる合成LH-RHのラット下垂体前葉内注入における血清LH, FSHおよびprolactinの反応

概要

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合成LH-RHをラットの股静脈,下垂体前葉,正中隆起内に注入し,血清LH, FSHおよびprolactinの動態を2抗体法Radioimmunoassayにより測定し,次の結果を得た. 1) 合成LH-RH 2ngの下垂体注入実験において,酸素非投与群は酸素投与群より血清prolactinは有意の減少(P<0.01)を示し,またLH, FSHも減少したが有意差はなかつた. 2) 合成LH-RHの下垂体注入による血清LHおよびFSH放出の時間的推移をみると,両者とも15分までにピークをつくつた. 3) 合成LH-RHは血清LHに比し,血清FSHの放出作用は弱く,下垂体{こ20ng注入した際,血清LHは対照群の約10.7倍,血清FSHは約1.8倍の増加を示した. 4) 血清LHは合成LH-RH0.2ng下垂体注入(P<0.05)以上で,また血清FSHは合成LH-RH 2ng下垂体注入(P<0.01)以上で対照群より有意の増加を示した. 5) 合成LH-RH 2ngを下垂体に注入する前0.1μgのestradiol benzoate(以下EBと略す)を下垂体に注入すると,血清LHおよびFSHは減少し,血清prolactinは増加した. 6) 正中隆起に合成LH-RH 2ngを注入すると,血清LHおよびFSHはともに幾分増加の傾向を示した. 7) 血清prolactinは合成LH-RHに対し,有意の反応を示さなかつた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1975-01-01