Hypoxia における胎盤の脂質代謝

概要

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Fetal Distress は胎児の呼吸循環不全を主徴とする症候群であると考えられ, 今回は低酸素状態における胎盤の脂質代謝について検討した. すなわち, パルミチン酸-1-^<14>C, リノール酸-1-^<14>C, 又はブドウ糖-U-^<14>Cのいずれか1種類の物質を含む medium で incubation を行ない, 胎盤組織の各脂質分画にとりこまれた^<14>C, および呼吸性炭酸ガス^<14>CO_2を測定した. 低酸素状態において, 胎盤組織における脂質合成能は95% O_2-5% CO_2で incubate した対照群に比べて, あまり障害されることなく行なわれているが, 好気性解糖系にもとづく呼吸性炭酸ガス産生, すなわち, エネルギー産生糸は極端に抑制されることが判明した. このように胎盤は低酸素状態にあっても対照群とほぼ同様の脂質合成を行なっており, 胎児のエネルギー産生に極めて重要な役目を有し, 胎児の予備能を保っているものと考えられる.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1974-05-01