子宮頚管の分泌機能に関する研究とくにEstriolを中心として
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概要
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子宮頚管の分泌機能についての研究は少ないが, 著者は頚管粘液分泌の良否により, 原発不妊婦人を3群に分け, Estriolを中心として 2, 3の点より検討すると共に, GonadotropinやQ10midなどの投与実験をも行ない次の結果を得た. 1. 子宮発育検査では, CMの良好のもの程発育係数, 頚管内の広さも有意に大きくなっている. 2. Total Estrogen, Estriolは3群とも, 排卵期には卵胞期に比し有意に増加しているが, 良好群では卵胞期, 排卵期とも, 他の2群に比し有意に高い値を示す. 3. 分画比では, 卵胞期から排卵期へのこの比の増加は, 不良群 (A群) で殆んど変らず, 中等群 (B群) でわずかな増加に比し, 良好群 (C群) では有意に増加している. 4. Pd, 17-KSは, 排卵期において不良群にやゝ高値をとるものが多く, Estrogen/Pd×10, Estriol/Pd×10, Estrogen/17-KS, Estriol/17-KSは, A群では排卵期には卵胞期に比し殆んど変化しないのに反し, B,C群では有意に増加し, C群ではA,B群に比し卵胞期, 排卵期とも有意に高く, B群は排卵期にのみA群より有意に高い値を示す. 5. PMSの投与により排卵成功例では, 始めEO, EDの増加があり, 分画比も減少するが, CMの増加する頃ではEtの増加, 分画比の増加がみられる. 6. Clomidを投与したとき, CMが減少するが, 尿中ホルモンではEOの増加が著明で分画比も低くなる. ClomidとEstriol剤を同時に投与した場合, 殆んどCMの増加はみられない.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1968-06-01