母児心拍数計を応用した胎盤の硫酸アトロピン通過に関する研究
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概要
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胎盤は極めて複雑な生理作用を有するが,その胎盤機能の検定に関しては種々の報告がある.にもかゝわらず分娩前に安全かつ簡単に知り得る方法は未だ見られない. 今回,母児心拍数針を用いて母体に投与した硫酸アトロピンの胎盤通過時間を測定し,胎盤機能予知法となり得る可能性があると考え,正常妊婦,予定日超過妊婦,及び妊娠中毒症妊婦,計276名について検討した.即ち,妊娠週数が進むにつれてアトロピン胎盤通過時間は延長の傾向を認めた.又,予定日超過及び妊娠中毒症妊婦では正常妊婦より通過時間の延長を認めた. 更に,アトロピン検査後3日以内に分娩した98例については,児体重,胎盤重量,仮死,尿中エストリオール値,胎盤の組織所見,河合血管指数等との関係を検討した.通過時間延長群では児体重,胎盤重量とも減少の傾向を認め,仮死も増加,血管指数も上昇,組織所見も悪化の傾向が見られた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1967-02-01
著者
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