腹壁誘導Electrohysterographyの基礎的および臨床的研究
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概要
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ヒト子宮の収縮に伴う電位変化を腹壁上より誘導し,その波形すなわち腹壁誘導electrohysterogram (EHG)について基礎的および臨床的検討を加えた.一般に測定に際し種々のartifactの混入を認めるが,それは得られたEHGの分析および解読に大きな障害となる.そこで著者は基礎的検討によりartifactの分析を行ない,それを除去することに成功した.そして得られたEHGがartifactを混じていない,あるいはartifactにより大きくひずんではいない本当の子宮よりの電位変化であることを証明し,すでに報告した. 亜鉛硫酸亜鉛不分極電極を使用し,直流増幅器およびインク書きオツシログラフを用い増幅記録した.電極には特別の台座をつけ腹壁上の固定を確実にした.実験対象として正常分娩群,oxytocin分娩誘発成功群および同不成功群,計56名に対し延べ72回の測定を行なつた. 分娩全経過中に現われるEHGの性質によりその波形を6型に分類し,それぞれの臨床像との関係をみると,正常分娩群およびoxytocin分娩誘発成功群の分娩第1期前半においては,比較的規則正しい振幅の小さい波長の短い波の連続よりなるIII型が大半をしめ,これが第1期後半に進行してくると,波長の長い波の振幅が比較的小さいII型および振幅の比較的大きいI型がみられるようになる. oxytocin分娩誘発不成功群においては,電位変化の少ない単調な波形のIV型を中心として,III型および不規則な波形のV型が主となりI型およびII型への移行は少なかつた.また正常陣痛と微弱陣痛とのEHGの比較も行なつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1969-02-01
著者
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