肥満動物の性周期及び^3H-Estrogenの摂取率
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概要
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書生肥満症でも肥満による一般弊害の他に,性機能の低下もみられるという.そこで肥満状態での性機能をみる1つの指標として肥満動物の発情周期の観察及び^3H-Estrogen付加実験棟を行つた.肥満動物には自然発情肥満マウス及びGoldthioglucose(GTG)による肥満マウスを用いた.1.肥満マウスでは発情周期は停止乃至延長をみるものが多く,その以上の頻度は自然発情肥満マウスでは70%,GTG肥満マウスでは90%であり,後者の方が高かつた.2.子宮湿重量及び比体重の比較では肥満マウスが正常マウスより大きく正常群との間には有意の差がみられた.3.^H-Estrogen負荷実験の予備実験として^3H-n-Hexadecaneを用い測定条件及び試料等について検討した.その結果Combustion Methodによる試料が^3Hの摂取は肝より各時間とも高かつた.又発情周期のうち,発情期,静止期について^3H-E_2投与1時間後の子宮及び肝の^3Hの摂取をみると,子宮では静止期は発情期より^3H摂取が多く,肝は両期の間に差がなかつた.5.正常,肥満マウス両群に^3H-E_1及び^3H-E_2を等量投与し,子宮と肝の^3H摂取を1,3,6時間後に見ると,子宮では^3H-E_1で投与後6時間で正常マウスが肥満マウスより多く,^3H-E_2では.3時間で同様の結果がみられこの正常と肥満群間の差は有意であつた.肝では^3H-E_1,^3H-E_2とも正常群のほうが肥満群より^3Hの摂取が各時間共多くその差は有意であつた.以上の結果は肥満対での子宮のEstrogenに対する感受性の低下とEstrogenの代謝に肝以外の組織の介在を示唆するものと考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1969-01-01