Prostaglandin F_<2α>投与による分娩時末梢血中Oxytocin, Progesterone, EstradiolおよびCAPの動態
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概要
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Prostaglandin F_<2α>(以下PGF_<2α>)の in vivoにおける作用機序を解析する目的で妊娠末期の陣痛未発来妊婦にPGF_<2α>を投与し, 同時斯の末梢血中Oxytocin(以下Ox), Progesterone(以下Prog.), Estradiol(以下E_2)及びCystine-amino peptidase(以下CAP)を測定し, 妊娠経過中のそれらの動態とあわせて以下の結論を得た.1.i)妊娠経過に伴いOx, Prog., E_2, CAPは漸次上昇した.ii)妊娠経過においてはOxとProg., E_2及びCAPは正の相関を示した.2.i〉分娩経過においては血中OxはPGF_<2α>投与前18.4±8.1pg/ml, 5分間歇時30.0±11.3pg/ml, 3分間歇時31.2±10.9pg/mlと上昇した.ii)Prog.はPGF_<2α>投与前18.4±30.7ng/ml, 投与後年161.7±29.6ng/ml, 130.8±23.1ng/mlと減少した.iii)E_2はPGF_<2α>投与により減少したものの有意の変動はなかつた.iv)E/P比はProg.の減少に伴うE_2の相対的増加によりPGF_<2α>投与前0.22±0.031, 投与後は0.24±0.032, 0.28±O.043と上昇した.v)CAP.はPGF_<2α>投与前177.4±55.1mu/ml, 投与後149.0±53.9mu/ml, 188.2±60.0mu/mlで一定の変動を示さなかつた.3.陣痛発来後OxとProg.は負の相関を示したが, OxとE_2, CAPの間には相関は認めなかつた.4.PGF_<2α>誘導失敗例では、Ox, Prog., E_2, CAPともに大きた変動がなかつた.PGF_<2α>投与により分娩に至つた例においては, 経時的に血中Prog.が減少し, またE/P比が上昇していることからProg.のOx感受性抑制効果が解除されて子宮筋のOx感受性が亢進して来る.そしてPGF_<2α>の直接子宮収縮作用及び血中Oxの増カにより陣痛が強まつて分娩が進行すると推察された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-10-01
著者
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