ラット子宮筋収縮の妊娠時期による変化
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概要
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ラット子宮筋が,分娩にむかってどのように変化していくかについて,妊娠中期と末期を比較し,検討した.1.single sucrose gapにより,電気現象をみると,縦走筋はspike potential優位,輪走筋はslow potential優位であるが,輪走筋は,末期になると,spikeを発生し,電気的に,縦走筋に類似してくる.2.縦走筋・輪走筋の収縮と子宮内圧を対比すると,中期においては,子宮内圧の変動は,主として,縦走筋の収縮によるものであり,輪走筋のみの収縮は,頻度の多い,小さな内圧の変動として,反映される.3.卵管端と頚管端の子宮内圧を検討すると,妊娠末期になり,分娩が近づくと,筋収縮の協調性がよくなると共に,卵管端から頚管端へむかっての興奮の伝達がスムーズに行われるようになる.4.in vitroでの分娩観察で,頚管抵抗(-)群では胎仔の娩出がおこり,頚管抵抗(+)群では娩出がみられないことより,分娩における頚管の重要性が確認された.又,頚管抵抗(-)群の比較では,中期に比して,末期の方が娩出されやすいことから,収縮力は,末期の方が娩出力としてより有効であることがわかった.以上より,子宮筋は,末期にたると,分娩という目的に,より適した収縮を示すようになるが,収縮のみで分娩を説明することは出来ず,他の要因,特に頚管の問題を考慮する必要があるように思われる.
- 1982-03-01
著者
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