妊娠,分娩,産褥各期における母体血並びに〓帯動静脈血中ACTH及びCorticosteroidsに関する研究
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概要
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妊娠各月並びに満期分娩時の母体血,〓帯動静脈血ACTH及びcorticosteroids(以下Cdsと略)を測定し,つぎの成績をえた.1) 妊婦血中ACTH値は全妊娠期間を通じて変動がなく非妊婦人正常範囲内にあるが,血中Cds値は妊娠進行と共に増加し,妊娠末期に初期の約4倍に達した.2) 正常満期経腟分娩及び産褥各期の妊娠血中ACTH, Cds値は,ともに入院時より増加し児娩出時をピークとして以後急激に減少し産褥初期に非妊婦人正常範囲に復した.3) 帝王切開分娩時の母体血中ACTHは経腟分娩に比し低値であるが,血中Cds値は児娩出後もさらに増加した.4) 分娩第2期時間短時間例に比し長時間例で児娩出時の母体血,〓帯動静脈血ACTH, Cds値が高値で両群間に著差を認めた. 5) 正常満期経腟分娩時の母体血,〓帯動静脈血ACTH及びCdsの量的関係は,ACTHでは母体血>〓帯静脈血>〓帯動脈血の順で,Cdsは母体血>〓帯静脈血・動脈血の順であり,分娩様式や胎児の状態によりその比率に相違がみられた.6) 分娩時母体血,〓帯動静脈血のACTH, Cds値はいずれも吸引分娩>正常分娩>帝王切開分娩の順であつた.7) 胎児仮死例の〓帯動脈血ACTH, Cds値は正常分娩例に比し高値を示した.8) 〓帯動脈血pH値とACTH値には一定の関連を認めないが,pH値が低下したものではCdsの高値を認めた.9) 血中ACTH及びCdsでは母体血と〓帯動静脈血のあいだに相関関係がみられなかつた.10) 〓帯動脈血と静脈血のあいだにはACTHおよびCds値に相関関係が認められた.11) 血中ACTHとCds間には,母体血,〓帯動静脈血ともに相関関係がみられなかつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-09-01
著者
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