酵素的微量測定法による人子宮内膜glycogen測定法の臨床応用 : 不妊婦人の子宮内膜glycogen contentに関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
人受精卵の子宮内膜へ着床並びに幼若妊卵の発育成長にglycogenはその栄養源として重要な役割を演じていると考えられている.この子宮内膜のglycogenの不妊因子としての意義を明らかにする目的で子宮内膜のglycogenの微量測定の臨床応用を企て,正常並びに不妊婦人子宮内膜における性周期のglycogen含有量の動態を明らかにするとともに,特に黄体機能との関連について検討を加えた. (1) α-glucosidaseによるspecific enzymic glycogen分解法を用いて,微量の子宮内膜組織(3〜6mg)におけるglycogenの測定法を確立して臨床上routine testとしての利用を可能とした. (2) 正常婦人の月経周期における子宮内膜glycogen含有量は増殖期よりも分泌に高く,かつ周期の第16〜23日目にピークを認めた. (3) 機能性不妊婦人の子宮内膜glycogen含有量は正常婦人の子宮内膜のそれと同じく,周期の第16〜23日目にピークを認めたが,その含有量は著明に低かつた.(P< 0.005). (4) 原発性不妊婦人に於て子宮内膜glycogenと黄体機能との関係を尿中pregnanediol 排泄量,黄体期日数,黄体期面積指数と検討した結果,黄体機能不全婦人における分泌期内膜glycogne含有量に明らかな減少が認められた (p< 0.005).
- 1977-08-01
著者
関連論文
- イソフラボン含有サプリメントの過剰摂取により子宮筋腫の増大と子宮内膜増殖症がみられた閉経後婦人の1例
- 酵素的微量測定法による人子宮内膜glycogen測定法の臨床応用 : 不妊婦人の子宮内膜glycogen contentに関する研究