SFDに関する統計的考察 : 排卵日より起算した在胎日数を用いて
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概要
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周産期上の諸問題が在胎期間との関連において検討されることの多いことにかんがみ,排卵日より起算した在胎日数をもととして児体重の予測およびSFDについての検討を試みた.すなわち分娩を終了した婦人でしかも基礎体温から排卵日を推定し排卵・分娩日数を算出できた214例を対象として排卵・分娩日数と児体重との関係を求め,Y=18.6497X-1743.7 (Y:児体重(g), X:排卵・分娩日数, r^2=0.4378^2)なる回帰式を得た.この回帰式による児体重の予測値(Y)と実測値との差(実測値-予測値)が,差の標準偏差の-3/2以下になるものをSFD, -3/2と+3/2の間にあるものをAFD, +3/2以上になるものをLFDとして,それぞれの出現頻度,母体因子との関連,児の状態などについて推計学的検討を加え以下の結果を得た. (1) SFD, LFDの出現頻度はそれぞれ5.1%,5.1%であつた. (2) SFDは経産に比し初産に高率にみられた. (3) SFD児を出産した母体ではLFDに比し身長の低い婦人が多く(P<0.1), LFDではSFD, AFDに比し身長の高い婦人が有意に多かつた(P<0.05). SFDではAFD, LFDに比し低体重の婦人が有意に多かつた(それぞれP<0.01, P<0.05). (4) SFDではAFDに比し胎児仮死が有意に多く(P<0.05),またApgar score 7点以下が高率であつた. (5) SFDではAFDに比し児体重,児身長,胎盤重量,子宮底長が有意に小であつた(それぞれP<0.001, P<0.001, P<0.001, P<0.001). LFDではAFDに比し児体重,児身長,胎盤重量,子宮底長が有意に大であつた(それぞれP<0.001, P<0.001, P<0.001, P<0.05). (6) SFDではAFDに比し胎盤比が有意に大きかつた(P<0.05).
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-01-01
著者
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