IVF-ETにおけるGnRH agonist併用各種卵巣刺激法による卵胞発育過程についての検討
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概要
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IVF-ETにおいてGnRH agonist (GnRHa)-hMGによるshort protocol (short群: n=10)及びlong protocol (long卵胞期群: n=9, long黄体期群: n=8)の卵巣刺激法について, 超音波断層法による卵胞発育の形態所見及び内分泌学的所見を調べ, hMG単独刺激法(hMG単独群: n=10)と比較検討した. 卵胞を卵胞径の大きさにより小卵胞(9mm以下), 中卵胞(10〜14mm), 大卵胞(15〜19mm), 成熟卵胞(20mm以上)に分類し, hMG投与中の卵胞発育を経日的に検討した. 1. hMG単独群は小卵胞の持続的出現のため, 大卵胞数よりも中卵胞数の増加を認めた. 一方, GnRHa併用, 特にlong黄体期群では同調性をもった大卵胞数の増加が認められ, 中卵胞数は減少することを確認した. 2. hCG投与日の総卵胞数は差を認めないが, 15mm以上の卵胞数では, hMG単独群に比較しlong卵胞期群, long黄体期群で有意に多く(p<0.01), 主席卵胞から第5席卵胞までの卵胞径は, hMG単独群13.9±3.7mm(mean±S.D.), long卵胞期群16.8±2.2mm, long黄体期群18.8±2.5mm, short群17.4±4.2mmであり, hMG単独群に比較してlong黄体期群で卵胞径の分散が小さく(p<0.01), 18mm前後の大きさの卵胞が多く認められた. 3.内分泌動態からみると, long黄体期群ではlong卵胞期群に比較して, 前周期の黄体期にprogesteroneの上昇が認められ, 短期間で下垂体の脱感作が認められた. 以上の成績より, hMG単独群に比較して, GnRHa併用群では卵胞の同調性が高く, なかでもlong黄体期群でその傾向が強いことが認められた. これにはlong黄体期群での短期間での脱感作の関与が示唆された.
- 1997-07-01
著者
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