陣痛周期について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
従来陣痛を表現するのに陣痛発作時間,陣痛間歇時間をもつて表現することが多かつた.しかしこの方法を使用した場合に発作時間がその計測法により値が異なつてくる.又,陣痛の間歇が短くなつてくると,実際には間歇時間が収縮曲線上では認められないのに,臨床的に間歇時間が存在するというおかしな結果になつてしまう.従つて私達は陣痛の状態を表現するのに,陣痛開始から次の陣痛開始までをとるのが適当と認め,それを陣痛周期と呼びこれと各parameterとの関係を検討した.陣痛開始点は触診による陣痛開始点をとり,balloon法による10mmHgとした. これと曲線頂点間を計測した陣痛周期とを比較したが殆ど差はなかつた.(1) 子宮口開大度別に陣痛周期をみると,初産経産間には分娩第II期を除くと差はない.子宮口別では7cm,8cm間,9cm,10cm間に差を認めた.(2) oxytocin点滴例では初産・経産との間,または子宮口開大度による差は認められなかつた.(3) 児頭との関係では児頭がほとんど下降しない場合は,初産経産では差がなく,児頭が下降を始めると経産婦の方が陣痛周期が短かくなり,急激に下降する時期になると明らかに短縮する.(4) 時間経過との関係では初産では変化が緩やかであり40分間隔で差を生じた.(5) 陣痛周期と子宮内圧は相関関係は認められなかった.(6) 陣痛周期と収縮時間は分娩I期ではr=+0.49,II期ではr=+0.01であり,I期では相関関係を認めた.(7) planimeterと値との関係では分娩第I期ではr=-0.26,分娩第II期ではr=-0.63で分娩第II期では逆相関がある.(8) 陣痛波形との関係では鈴村らの陣痛波形の分類によりその関係を調べたが,I型,IV型,II型,III型,V型の順で短縮した.(9) 胎児心拍数との関係では陣痛周期が5分以内になると児心拍数の変動が認められ,2分以内では著しい変動を認めた.
- 1976-05-01
著者
関連論文
- 11. 切迫流早産と子宮収縮 ( 第I群 産科領域)
- 115. 子宮癌スクリーニングテストの成果 (第2報)
- 59. 数理的解析によるC.P.D.の判定
- 215. 当医局10年間の卵巣腫瘍の観察と mesonephric cystadenocarcinoma の1例
- 42. IUCDと子宮収縮
- 陣痛周期について
- 201. 児頭骨盤不適合の診断に関する研究
- 55. 児頭各径線の分娩後の変化(正常分娩と異常分娩との比較)
- 55.児頭各径線の分娩後の変化(正常分娩と異常分娩との比較)
- 206. 陣痛周期について (II 一般演題 第7群 妊娠. 妊娠中毒症. 分娩)