ヒト黄体機能に関する研究 : 排卵性機能性不妊婦人の排卵期下垂体性ゴナドト口ピン値と黄体機能

元データ 1975-06-01 社団法人日本産科婦人科学会

概要

いわゆる特発性機能性不妊婦人28名を対象とし,その中17例では排卵期周辺の連続採血を施行し,血中LH, FSHを2抗体法RIAで,progesterone(P)をCPBAで測定した.なお全例について月経前5日以前の黄体中期(着床期)と4日以後の黄体末期において内膜生検を施行し,Endometriogramを応用して日付診を行ない,諸Indexの中の月経前黄体期内膜不全指数(Prem, E.L.I.I.)を算出し±2以上のずれを不全内膜として,同時採血した血中P値や排卵期のLHピークの大きさ,LHとFSHの比率などとの相関をみた. LHピークの値は個人差が大きいが,その約80%はBBTの低温相最終日(0日)の前後3日の間にあり,排卵は0日より+1日にかけて起こるものが多いと推定された. -5日よりのLH/FSHは漸増し,0日に最大となり,以後減少した. 血中P値はLHピークに遅れて増加するものが大部分であり,ごく一部に以前から上昇の傾向がみられたのみである. 排卵期LHピークの大きさ,同日のLHとFSH濃度の比率は,黄体初期における血中P値の上昇パターンや,黄体中期のP濃度ととくに相関は認められなかつた. 黄体中期に施行した内膜日付診で+2日以上の過熟像を示すもの5例,-2日以上の未熟像を示したものは2例で,むしろ促進型が高率にみられた.血中P濃度の平均は未熟群は正常成熟群のそれよりやや低く,過熟群ではやや高値であつたが,いずれも有意差はなかつた.黄体末期の内膜像は未熟型の発現が比較的多かつたのに対して過熟型は1例もなかつた.血中P濃度は未熟群と正常群との間に有意差はなかつた. 以上から,黄体機能の調節諸因子の中で1つの役割を有すると思われた排卵期のLHピークの大きさ,LH/FSHは,黄体機能と一元的な相関がないことが強く推定される.

著者

中村 正彦 九州大
楠田 雅彦 九大
倉野 彰比古 九州大学医学部産婦人科学教室
倉野 彰比古 九州大
中村 正彦 九州大学医学部産婦人科学教室
楠田 雅彦 九州大学医学部産婦人科学教室
永田 行博 九州大学医学部産婦人科学教室

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