Gonadotropin Releasing Hormone Agonist(Gn-RHa)のヒトおよびラット卵巣のsteroidogenesisに及ぼす直接作用について
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概要
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ラットの顆粒膜細胞およびヒトの顆粒膜細胞と黄体細胞においてGn-RH agonist (Gn-RHa)の直接作用に関する基礎的検討を行い, 以下の結論を得た. 1) ラットの顆粒膜細胞において, Gn-RHaはPMSGによるprogesterone, estradiol産生の刺激作用を抑制した. 2) ラットの顆粒膜細胞のtracer実験では, progesterone産生において, Gn-RHaは20α-hydroxyprogesteroneの産生を促進することにより, PMSGで刺激されたprogesterone産生を抑制していると考えられた. estradiol産生においては, Gn-RHaはPMSGによるaromatization促進作用を抑制することにより, estradiol産生が減少すると考えられた. 3) ラットの顆粒膜細胞での20α-hydroxysteroid dehydrogenase activityに対して, Gn-RHaはそのmaximum velocityを高め, 20α-hydroxyprogesteroneを基質としたときのaffinityを抑制する傾向がみられた. 4) ヒトの顆粒膜細胞では, 排卵期に採取した細胞においてGn-RHaはprogesterone, estradiol産生に対するPMSGの刺激を抑制した. 5) ヒトの黄体細胞では, Gn-RHaはprogesterone産生に対するhCGの刺激を抑制した. 6) ヒトの黄体でのGn-RH receptorのbinding siteはラットに比べてlow affinity (2.41×10^<-7>M)であつた. 以上の結果より, ラットと同様にヒトの卵巣でもGn-RHaが顆粒膜細胞および黄体細胞のsteroidogenesisに直接関与している可能性が示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1992-10-01
著者
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