新生児胃破裂と双胎の関係 : なぜ,本症は双胎に多いか
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概要
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新生児胃破裂(本症)には合併病変が多く,特に出生前後の低酸素症の既往を持つものも多い.これらの既往の分析の中で当科症例では双胎児からの発症も多かった.そこで,双胎児の本症と単胎児の本症を比較検討して, 双胎児本症の発生の背景因子, 成因との関係につき考案した.双胎の本症は当科症例63例中7例 (11%) で,一般の分娩におけるわが国の双胎の頻度150〜170回に1回より多かった.双胎児の本症は当然,早産,低出生体重児が多く,出生前後の低酸素症(新生児仮死, RDS) の頻度も多かった.また,その他の合併病変もほとんどの症例に認められた.双胎の本症の破裂部位は比較的小彎側に多く,小穿孔(潰瘍穿孔)の形態をとることが多かった.これらの事実より,双胎の本症は成因上,出生前後の低酸素症,胃の血流障害の因子が大きいと推測され,潰瘍もでき易いと考えられた.一方,双胎の本症は high risk ではあるが成因への対処,すなわち周産期の管理の向上によりある程度発症の予防も可能であると思われる.また,合併病変が多いだけに医療施設の管理下におかれ,ミルクも投与されないうちに発症することが多く腹膜炎は軽度で,治療成績は必ずしも不良ではなかった.
- 日本小児外科学会の論文
- 1994-08-20
著者
-
岩渕 眞
新潟大学医学部小児外科
-
大沢 義弘
新潟大学医学部小児外科
-
近藤 公男
新潟大学医学部小児外科
-
大沢 義弘
財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院
-
大沢 義弘
新潟大学 小児科
-
内藤 万砂文
新潟大学 小児科
-
内藤 万妙文
新潟大学医学部付属病院小児外科
-
内藤 万砂文
日赤 長岡赤十字病院 小児外科
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