ヒト子宮頚部における17β-hydroxysteroid-dehydrogenase活性の研究
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概要
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ヒト子宮頚部における17β-hydroxysteroid-dehydrogenase (17β-HSD)活性測定のため基礎的検討および, 子宮頚部を構成する円柱上皮域・扁平上皮域・結合織域での局在性, 性周期での変動を調べた. 腹式単純全摘出術により摘出した子宮より子宮頚部を切離し, 円柱上皮域・扁平上皮域・結合織域に分け, 800×g上清を酵素源とした. 基質として[4-^<14>C] estradiol 12.5μMを使用し, cofactorとしてNAD^+を加え37℃, 60分間空気を気相としてインキュベーションした. 反応停止, 抽出後, 薄層クロマトグラフィーにて生成物であるestroneを分離し, その放射活性を測定後, 単位蛋白濃度当たりの酵素活性として示した. 性周期は体部内膜を組織学的に検討し決定した. Lineweaver-Burkのplotを作成し, ミカエリス定数を求めるとKm=2.0μMであった. ついで子宮頚部での17β-HSD活性値は, 増殖期の円柱上皮域49.1±8.9p mol/mg protein/hour, 扁平上皮域16.5±2.3, 結合織域9.0±1.0(mean±SE) (n=5), 分泌期では円柱上皮域42.8±6.6, 扁平上皮域12.2±3.1, 結合織域10.6±1.6(mean±SE) (n=6)と増殖期, 分泌期ともに円柱上皮域に17β-HSD活性が有意(p<0.01)に高かった. 性周期変動については今回の検討では有意差を認めなかった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-06-01
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