子宮頚部扁平上皮癌患者血清中に検出される抗Embryoglycan抗体の解析
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概要
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Embryoglycan (EG) はマウス奇型癌の幹細胞クローンF9の細胞表面に多量に存在する高分子糖鎖である. この糖鎖は多くの分化抗原やレクチン・リセプターを担っていて細胞分化の指標となっている. またヒトの卵巣性悪性胚細胞性腫瘍患者血清中にこのEGと反応する抗体が検出されている. 他の悪性腫瘍においても, 癌化に伴いEG類似抗原の出現する可能性を考慮し, 子宮頚癌患者血清中に抗EG抗体が検出されるか否かにつき検討した. 患者血清とEG (あるいはF9細胞)との反応性についてはFarrのassayおよび間接螢光抗体法により測定した. 子宮頚部肩平上皮癌患者のうち, 浸潤癌例では26%(61例中16例)が陽性であったが, 早期癌(14{列)は全例陰性であった. 良性卵巣嚢腫23例, 子宮筋腫25例, 正常例50例ではいずれも陰性であった. また患者血清中に検出される抗EG抗体はEGのα-galactose結合と反応していることが酵素処理により明らかになった. さらにこの抗体の認識するEG のα-galactose結合はB型抗原の抗原決定基とは異なるが, 若干交叉反応を示すことが判明した. 以上よりEG上のα-galactose結合(抗原)が子宮頚癌細胞にも表現されていて, この抗原に対し宿主が抗体を産生していると考えられる. また臨床的には担癌患者の腫瘍に対する特異的免疫能を評価するのに利用できる可能性がある.
- 1990-02-01
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