卵巣癌根治術後のセカンドルック手術の意義

概要

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東京慈恵会医科大学附属病院にて1987年より1994年までに治療した卵巣癌症例のうち, 初回手術時に卵巣癌根治術, すなわち, 腹式子宮全摘術, 両側付属器摘出術, 大網切除術, 傍大動脈および骨盤リンパ節郭清術, および可及的腫瘍切除を行い, 術後にプラチナ製剤を含む化学療法を完遂した後, SLOを施行した56例(I期24例, II期7例, III期23例, IV期2例)を対象として各種検討を行い以下の結論を得た.1.SLO陽性率は16.1%(9/56)であり, 進行期別ではI期4.2%, II期0%, III期26.1%, IV期100%であった.2.SLO陽性例, 陰性例の初回手術からの平均生存期間はそれぞれ18.8±6.8カ月, 47.4±19.6カ月, 無病期間はそれぞれ11.8±6.7カ月, 45.6±21.0カ月であり, SLO陰性例の平均生存期間, 無病期間は陽性例に対し有意に延長していた(p<0.01).3.SLO陰性例の再発は14.9%(7/47)に認められ, すべてIc期以上であった.4.以上の結果を踏まえ単変量解析および多変量解析を行ったところ, 1)pTlapN0pM0の卵巣癌で, 2)SLO前にCA125値が13U/ml以下のものは再発の危険性がきわめて低くSLOを省略してよいと考えられた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1998-03-01