ガンマ線バースト : 現代宇宙物理学での最大の謎
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ガンマ線バーストとは, 1日におよそ1回の頻度で典型的には250keV程度のガンマ線が約0.01∿300秒間観測される天体現象である.ガンマ線バーストの正体は, その発見以来長らく未解明であったが, 最近になって, 理論と観測双方の発展により除々に明らかになりつつある.現在の標準的理解では, ガンマ線バーストは主に宇宙論的距離(100億光年以上の彼方)で発生し, エネルギー放出率は宇宙のすべての銀河の明るさを合わせたものと同じかそれ以上にのぼり, 中心天体から何らかのプロセスで放出された相対論的ジェットがガンマ線放射を行うと考えられている.本稿では, ガンマ線バーストの研究の歴史に沿いながら, どのようにして現在の標準的な描像が得られたか解説し, さらに宇宙論への応用などの, ガンマ線バーストに関する話題をいくつか紹介する.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 2005-04-05
著者
関連論文
- ガンマ線天文衛星GLASTが軌道に乗る
- 27aXD-10 フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡で見た拡散γ線放射(27aXD 宇宙線・宇宙物理領域,素粒子実験領域合同招待講演,宇宙線・宇宙物理領域)
- 銀河宇宙線の起源に迫る : 理論・観測研究の最近の進展(最近の研究から)
- 28pSP-9 銀河系内宇宙線加速源をとらえたか? : 「すざく」衛星を用いたTeV未同定天体の硬X線観測(28pSP プラズマ宇宙物理(粒子加速,加熱,相対論プラズマ),領域2(プラズマ基礎・プラズマ科学・核融合プラズマ・プラズマ宇宙物理))
- 27pXA-13 高空間分解硬X線観測を用いた超新星残骸衝撃波面での粒子加速研究(プラズマ宇宙物理(相対論),領域2(プラズマ基礎・プラズマ科学・核融合プラズマ・プラズマ宇宙物理))
- 高空間分解硬X線観測を用いた超新星残骸衝撃波面での宇宙線加速の解明
- 超新星残骸での宇宙線加速 : 銀河宇宙線の起源に迫る
- 27aTF-1 CANGAROO-III望遠鏡維持整備作業・観測報告(27aTF 高エネルギーガンマ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- ガンマ線バースト : 現代宇宙物理学での最大の謎
- ガンマ線バーストで見えてきたz-15の宇宙
- 林先生と天体核4人組(林忠四郎先生追悼)
- 21世紀の新しい目:重力波 (特集 の魅力と数理--様々な現象と多彩な広がり)
- 一般相対性理論と重力波 (特集 アインシュタイン 奇跡の年から100年 世界物理年2005(下)) -- (最先端の話題)
- 21世紀の新しい目:重力波 (特集 宇宙研究--多様な宇宙像を描く)
- 話題 Quark Star ???
- 26pGR-4 CTA報告11 : CTAで狙う物理 ガンマ線バーストの検出可能性(26pGR 高エネルギーガンマ線(CTA)・空気シャワー,宇宙線・宇宙物理領域)
- 26aGS-4 フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡による超新星残骸G8.7-0.1の観測(26aGS X線・γ線観測,宇宙線・宇宙物理領域)
- 26pGR-2 CTA報告9 : CTAで狙う物理-SNR(26pGR 高エネルギーガンマ線(CTA)・空気シャワー,宇宙線・宇宙物理領域)
- フェルミ衛星による超新星残骸からのガンマ線放射の研究
- フェルミ衛星が明らかにしたガンマ線バーストの姿
- 19aSY-5 CTA報告21 : CTA時代におけるガンマ線バースト研究(19aSY γ線(CTAなど),宇宙線・宇宙物理領域)
- 19aSY-3 CTA報告19 : CTA時代におけるSNR研究(19aSY γ線(CTAなど),宇宙線・宇宙物理領域)
- 宇宙線の源と加速・伝播の理論(宇宙線100周年)
- 24pGK-4 CTA報告31 : CTA時代におけるガンマ線バーストの研究(24pGK 高エネルギーガンマ線(CTAなど),宇宙線・宇宙物理領域)
- 13pSP-1 CTA報告38 : 全体報告(13pSP 高エネルギーガンマ線(CTA等),宇宙線・宇宙物理領域)
- 26aBD-12 若いTeVガンマ線超新星残骸における星間ガスと宇宙線加速(26aBD 高エネルギーガンマ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 26pBD-2 CTA報告50:CTAで探る超新星残骸での宇宙線加速(26pBD 高エネルギーガンマ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 20pSR-3 CTA報告58 : 全体報告(高エネルギーガンマ線(CAT,MAGIC),宇宙線・宇宙物理領域)
- 20pSR-12 超新星残骸RX J0852.0-4622における星間ガスとX線放射II(高エネルギーガンマ線(CTA,MAGIC),宇宙線・宇宙物理領域)