拡張アンサンブル法によるタンパク質の折り畳みシミュレーション
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概要
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タンパク質などの多自由度の系では,エネルギー極小状態が無数に存在するため,従来の手法による計算機シミュレーションでは,それらのエネルギー極小状態に留まってしまうという難点がある.筆者らはこの困難を克服する手法として,拡張アンサンブル法の適用を主張してきた.この方法は非ボルツマン因子に基づいており,ポテンシャルエネルギー空問上の一次元酔歩を実現することにより,エネルギー極小状態に留まるのを避ける.本稿では,よく知られている三つの拡張アンサンブル法(マルチカノニカル法,焼き戻し法,及びレプリカ交換法)とその改良版について解説し,それらのタンパク質の折り畳み問題における適用例を紹介する.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 2001-08-05
著者
-
岡本 祐幸
名大物理
-
岡本 祐幸
分子科学研究所理論研究系
-
杉田 有治
理研基幹研:jst-crest:bird
-
光武 亜代理
慶應大物理
-
杉田 有治
分子科学研究所理論研究系・総合研究大学院大学数物科学研究科
-
光武 亜代理
慶應義塾大学理工学部物理学科
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